○平泉町パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓の取扱いに関する要綱
令和6年3月28日
告示第22号
(趣旨)
第1 この告示は、性のあり方により現在の婚姻制度を利用できない性的マイノリティの方々や当該制度の利用が容易でない方々に寄り添い、生活上の困難及び生きづらさの軽減を図り、もって当該者の人権及び多様な生き方を尊重する社会の実現に資するため、パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓の取扱いについて、必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2 この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 性的マイノリティ 性自認(自己の性別についての認識をいう。)が出生時の性と異なる者又は性的指向(恋愛又は性愛の対象となる性別についての指向をいう。)が必ずしも異性愛のみでない者をいう。
(2) パートナーシップ 互いを人生のパートナーとし、日常生活において経済面、生活面、精神面等で相互に責任を持ち、継続的に協力し合うことを約束した2者の関係をいう。
(3) ファミリーシップ パートナーシップにある者とその双方若しくは一方の生計を一にする子(養子を含む。)又は当該パートナーシップにある者の親(養親を含む。)との家族としての関係をいう。
(4) 宣誓 パートナーシップにある者が、パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書に署名し、これを町長に提出する方法により、パートナーシップ又はファミリーシップにあることを宣誓することをいう。
(宣誓の要件)
第3 宣誓をすることができる者は、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する者とする。
(1) 民法(明治29年法律第89号)第4条に規定する成年に達していること。
(2) 宣誓をしようとする者の少なくともいずれか一方が町の区域内に住所を有する者又は宣誓をした日から3か月以内に町内に転入を予定している者であること。
(3) 配偶者がいないこと。
(4) 共に宣誓をしようとする者以外の者とパートナーシップにないこと。
(5) 共に宣誓をしようとする者が、近親者(直系血族並びに3親等内の傍系血族及び直系姻族をいう。以下同じ。)でないこと(養子縁組によって近親者となった者を除く。)。
(6) ファミリーシップの宣誓をしようとする場合にあっては、その対象とする15歳以上である子及び親について、本人の同意があること。
(宣誓の方法)
第4 宣誓をしようとする者は、あらかじめ、宣誓をしようとする日を町に申し出た上で、町が指定する日までに、パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓届(様式第1号。以下「宣誓届」という。)に次に掲げる書類を添えて町長に提出しなければならない。
(1) 住民票の写し又は住民票記載事項証明書
(2) 戸籍の個人事項証明書その他の現に婚姻していないことを証明する書類
(3) 宣誓をしようとする者双方が町の区域内に住所を有していない場合にあっては、少なくともいずれか一方の町内への転入の予定を確認することのできる書類
(4) その他町長が必要と認める書類
2 前項に掲げるもののほか、宣誓をしようとする者の双方又は一方の子又は親を含めて宣誓をする場合は、次に掲げる書類(当該子の年齢が宣誓をしようとする日において15歳未満である場合にあっては、第1号、第2号及び第4号に掲げる書類)を添付しなければならない。
(1) 戸籍その他の当該親子関係を証明する書類
(2) 当該子にあっては、宣誓をしようとする者の双方又は一方と生計が一であることを確認できる書類
(3) 当該子及び親が署名した同意書(様式第1号別紙)
(4) その他町長が必要と認める書類
3 町長は、第1項各号及び第2項各号に掲げる書類を審査し、第3各号に掲げる要件を満たしていると認めたときは、宣誓をしようとする者に対し宣誓をさせるものとする。
4 宣誓をしようとする者は、町の職員の面前でパートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書(様式第2号。以下「宣誓書」という。)に署名しなければならない。この場合において、宣誓をしようとする者が宣誓書に自署できない事情があると町長が認めたときは、当該宣誓しようとする者が認めた者が、当該宣誓をしようとする者の立会いのもと、当該宣誓をしようとする者に代わって署名することができる。
5 宣誓をしようとする者は、宣誓をしようとする日に、本人であることを明らかにするために次に掲げるいずれかの書類(以下「本人確認書類」という。)を町の職員に提示しなければならない。
(1) 運転免許証
(2) 個人番号カード(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号)第2条第7項に規定する個人番号カードをいう。)
(3) 旅券
(4) 在留カード
(5) その他官公署が発行した免許証、許可証、資格証明書等(本人の写真が貼付されたものであって、宣誓をした時点において有効であるものに限る。)又はこれらに準ずるものとして町長が適当と認めたもの
(通称名の使用)
第5 宣誓をしようとする者で、性別違和(自己の身体の性別に違和感を持つことをいう。)等の事情があると町長が認めたものは、この告示に定める手続きにおいて、通称名(社会生活において日常的に使用している氏名をいう。以下同じ。)を使用することができる。
2 通称名を使用しようとする者は、宣誓届に、戸籍上の氏名(外国人にあっては、旅券又は在留カードに記載された氏名)及び使用する通称名を記載するとともに、日常生活において当該通称名を使用していることが確認できる書類の写しを添付しなければならない。
(交付書類)
2 前項の規定にかかわらず、宣誓をした日(以下「宣誓日」という。)において、宣誓者の双方が町の区域内に住所を有していないときは、町長は、受領証等に代わり、パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓者転入予定受付票(様式第5号。以下「転入予定受付票」という。)を交付するものとする。
3 転入予定受付票の有効期限は、宣誓日から起算して3月を経過する日とする。ただし、特段の理由があると町長が認めた場合は、この限りでない。
4 転入予定受付票の交付を受けた者が転入したときは、転入をした日から14日以内に、転入予定受付票及び転入後の住民票の写しを添えて、パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓者転入完了申出書(様式第6号。以下「転入完了申出書」という。)を町長に提出しなければならない。
5 町長は、転入完了申出書が提出されたときは、受領証等を交付するものとする。
(受領証等の再交付)
第7 宣誓者は、紛失、毀損、汚損等の理由により受領証等の再交付を希望するときは、パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書受領証等再交付申請書(様式第7号)により、町長に対し、受領証等の再交付を申請することができる。この場合において、受領証等を毀損し、又は汚損したことによる申請であるときは、当該受領証等を添えて申請しなければならない。
2 宣誓者は、前項の規定による申請をしようとする者が本人であることを明らかにするために、本人確認書類の提示又はその写しを添付しなければならない。
3 町長は、前項の規定による再交付の申請があったときは、その内容を審査し、再交付すべきであると認めたときは、受領証等を再交付するものとする。
4 紛失により受領証等の再交付を受けた場合で、再交付後に紛失した受領証等を発見したときは、速やかに当該受領証等を町長に返還しなければならない。
(受領証等の記載事項変更)
第8 宣誓者は、宣誓届に記載した事項に変更があった場合(第10第1項各号に該当する場合を除く。)は、パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓届届出事項変更届(様式第8号。以下「変更届」という。)に、町長が必要と認める書類を添えて、町長に届け出なければならない。この場合において、変更する事項が、受領証等に記載されている事項に係るものであるときは、交付を受けた受領証等を添えて届け出なければならない。
2 第7第2項の規定は、前項の規定による受領証等の記載事項変更について準用する。この場合において、同項中「申請」とあるのは、「届出」と読み替えるものとする。
3 宣誓に係るファミリーシップにある15歳以上の子又は親が、当該ファミリーシップを解消しようとするときは、パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書受領証等に関する申出書(様式第9号)により、当該子又は親の氏名が記載された受領証等からの氏名の削除を申し出ることができる。
4 町長は、前項の規定による申出がなされたときは、宣誓者に対して交付した受領証等を返却させた上で、申出をした子又は親の氏名を削除した受領証等を交付するものとする。
(受領証等の返還等)
第9 宣誓者は、次の各号のいずれかに該当するときは、受領証等にパートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書受領証等返還届(様式第10号。以下「返還届」という。)を添えて、町長に返還しなければならない。
(1) 宣誓者の意思により、パートナーシップを解消したとき。
(2) 宣誓者の一方が死亡したとき。
(3) 宣誓者の双方が町外に転出したとき。
(4) 第10第1項又は第2項の規定により、宣誓が無効となったとき。
(5) 第3各号に掲げる要件に該当しなくなったと町長が認めるとき。
2 第7第2項の規定は、前項の規定による受領証等の返還について準用する。この場合において、同項中「申請」とあるのは、「返還」と読み替えるものとする。
4 町長は、宣誓者が第1項各号のいずれかに該当すると認めた場合で、相当の期間、返還届の提出がないときは、宣誓者に対し、受領証等の返還を求めることができる。
5 町長は、第1項第1号に該当する場合で、宣誓者のいずれか一方により返還届の提出があったときは、返還届を受理した後、遅滞なく、もう一方の宣誓者に対し、当該返還届を受理したことを通知するものとする。
6 町長は、第1項の規定により返還された受領証等の交付番号をインターネットの利用その他の方法により公表するものとする。
(宣誓の無効)
第10 宣誓は、次の各号のいずれかに該当する場合には無効とする。
(1) 宣誓届の内容に虚偽があったとき。
(2) 宣誓日以後に、第3各号に掲げる要件を満たさなくなったとき。
(3) 第6第2項の規定により転入予定者受付票の交付を受けた場合において、宣誓者の双方が、第6第3項に規定する有効期限までに転入しなかったとき。(同項ただし書に該当する場合を除く。)
(4) 受領証等の不正な使用、濫用又は公の秩序若しくは善良な風俗に反する使用が発覚したとき。
2 前項の規定による場合のほか、町長は、宣誓者が記載事項の変更その他必要な手続きを怠り、かつ、それが長期にわたり継続された場合は、宣誓を無効とすることがある。
3 町長は、無効とした受領証等の交付番号をインターネットの利用その他の方法により公表するものとする。
(他自治体のパートナーシップ・ファミリーシップ宣誓証明との相互連携を図る場合の取扱い)
第11 宣誓をしようとする者が、岩手県におけるパートナーシップ制度の導入に係る指針(令和5年3月24日付け若第575号岩手県環境生活部長通知)に掲げる指針となるべき事項に沿った要件を定めるパートナーシップ制度を設けている自治体であって町長が相互連携を図る自治体として認めるもの(以下「連携自治体」という。)においてパートナーシップ・ファミリーシップ宣誓に係る受領証等(以下「連携自治体受領証等」という。)の交付を受けている場合であって、本町に転入後も引き続きパートナーシップ・ファミリーシップ関係を継続し、町長が第3各号に掲げる要件を満たしていると認めるときは、この項から第3項までの規定に定めるところにより、受領証等の交付を受けることができる。
2 前項の規定による交付を受けようとする者(以下「転入宣誓者」という。)は、パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓継続申告書(様式第11号)に次に掲げる書類を添付し提出しなければならない。
(1) 連携自治体受領証等
(2) 住所地の変更を証する書類
3 転入宣誓者は、本人であることを明らかにするため、第4第1項各号に掲げるいずれかの書類について、提示し、又はその写しを提出しなければならない。
4 町長は、転入宣誓者から第2項の規定による書類の提出があった場合は、遅滞なく転出元である連携自治体に通知する。
5 町長は、宣誓者又は転入宣誓者が連携自治体に転出し、当該自治体に継続申告に係る書類として受領証等を提出した場合は、第9の規定にかかわらず、受領証等が返還されたものとみなす。
(補則)
第12 この告示に定めるもののほか、パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓の取扱いに関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
1 この告示は、令和6年4月1日から施行する。
2 宣誓に係る日時等の調整その他宣誓をするために必要な行為は、この告示の施行前においても行うことができる。