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町長施政方針演述
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平成21年度
町長施政方針演述
平泉町長 高橋一男 |
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平成21年第1回平泉町議会定例会の開催に当たり、平成21年度の町政運営の基本方針並びに主要な施策について、私の所信の一端を申し上げます。
世界経済が国境を越えて激しく動き、景気の低迷に加え雇用情勢が悪化する今日、地方と都市との格差の問題や少子高齢化の一層の進行など、国全体を取り巻く環境は、より一層厳しい状況に直面していると認識しております。特に国においては、早急に課題解決を図るための施策を試みているところでありますが、国会の「ねじれ現象」にみられるように迅速な意思決定が困難な状況にあることから、国民生活への影響が懸念されるところであります。
また、地方分権が大きな流れとなる中、県内においては、県立病院の再編や平成22年4月を目標とした4つの広域振興局体制への移行などにより、県と市町村との適切な役割分担による質の高い行政サービスの提供に向けて、市町村優先の行政システムの下、県から市町村への権限移譲の推進など、新たな課題への対応についても投げかけられているところであります。
このような中、基礎的自治体としての市町村の果たす役割は、ますます大きくなってきていることから、強い自治体を目指すべく、本町においても定住対策や産業振興対策などによる人口増加策の実現や、限られた財源でできるだけ高い行政効果を上げるための行政システムの構築など、自治体としての体力強化を図りながら行財政運営を推進していくことが重要であると認識しております。
市町村合併につきましては、本町は旧合併特例法の下での市町村合併を選択せず、「当面の自立」の方針で町政運営に臨んでいるところでありますが、自立した地域づくりのためには町民一人ひとりが主体的に考え、行政と共に歩んでいくことが必要であると認識しているところであります。
世界遺産登録の推進につきましては、昨年、カナダで開催された第32回世界遺産委員会においては、登録延期という審議結果となり、目標としておりました平成20年の世界遺産登録は実現に至りませんでした。
現在、平成23年の世界遺産登録を目指し、国、県、関係市と連携し、イコモスの評価や世界遺産委員会の審議内容などを踏まえ、世界の人々に理解される分かりやすい推薦書の再作成に向けて、すでに推薦書作成委員会並びに国際専門家会議が開催されるなど、登録に向けた再チャレンジが始まっております。今後も「平泉の文化遺産」が住民に支えられ、より良い形で継承されることを切に願うものであります。
平成21年度当初予算につきましては、財政健全化路線を継続する中、住民生活の維持向上の視点に立ち予算編成を行ったところですが、歳入確保が厳しい状況にあることから、平成18年度以来の抑制型予算となり、一般会計では5.0%減の36億円余となりました。
歳入面では、緊急雇用対策に伴う地方交付税等の増が見込まれることもあり、平成22年度から2カ年で予定されている中学校校舎改築事業に備え、財政調整基金の取崩しは行わず、必要な財源を確保したところであります。
歳出面では、現下の厳しい雇用情勢に対応し緊急雇用対策費を新たに計上したほか、再チャレンジに向けた世界遺産登録関連事業を見込んだところであります。また、財政の健全化を図るため、国の制度を活用した繰上償還を引き続き行って参りますが、償還がピークを過ぎたことにより公債費は平成20年度と比較して減少したところであります。しかし依然として、義務的経費の割合は3年連続5割を超えた水準にあり、財政の硬直化が進行していることから、今後も集中改革プランに基づき行財政改革を推進しながら財政健全化に向けて取り組んで参ります。
このような財政状況ではありますが、「平泉町総合計画・後期基本計画」に基づき、効果的配分と事業の重点化を図って予算編成を行ったところであります。
以下、平成21年度の重点施策及び主要施策について申し述べます。
はじめに、平成21年度の施策の柱である6項目について申し述べます。
第1は、世界遺産登録の推進であります。
平成13年4月に暫定リストに登載されて以来、史跡指定地の拡大、景観保全の推進など、町民の皆様のご理解とご協力を賜りながら、登録に向けて準備を重ねて参りましたが、昨年開催された世界遺産委員会では登録延期という誠に残念な結果となりました。
現在、平成23年の世界遺産登録を目指し、国、県、関係市と連携して、推薦書再作成などの取り組みを進めており、本年9月には推薦書の暫定版を、また、正式な推薦書については、平成22年2月までに日本政府よりユネスコ世界遺産センターに提出するため、本町としても引き続き最大限の努力を傾注して参ります。
第2は、国際観光都市に向けた対応であります。
平成20年6月に発生した岩手・宮城内陸地震の影響や、同7月の「平泉の文化遺産」の世界遺産登録の延期により、当初見込んでいた外国人観光客が大幅に減少するのではないかとの懸念がありましたが、8月以降の観光期からは、来訪者数も前年度に近い水準に持ち直してきており、平泉の文化遺産そのものの価値は何ら否定されたものではなく、むしろこの逆境下において、その価値が再評価された感もあります。本町といたしましては、2年後の世界遺産登録再チャレンジに向けて、観光客の受け入れ態勢の整備をより充実させていくとともに、日本における国際観光都市としての位置づけを確立していくため、グローバルな視点に立った「おもてなしの心」の醸成を図って参ります。
第3は、産業振興への対応であります。
本町の基幹産業である農業につきましては、国の抜本的な農政改革がなされようとしており、今後の政治動向によっては本町の農業政策にも大きく影響するものと考えております。そこで農業施策を推進していく上での重要な視点として、本町の特徴を活かした観光と農業を有機的に結びつけながら、地元農産物を使った農産加工品の製造、販売など諸施策を展開して参ります。
また、観光及び商工業の振興につきましては、平成19年度、20年度の2カ年で実施してきました観光ルネサンス事業による外国人観光客の受け入れ整備を、さらに充実するよう努めるとともに、平成20年度に開発しました3商品の特産品や土産品の販売促進、情報発信などについて積極的に取り組んで参ります。
第4は、保健・福祉・教育の充実であります。
子育て支援の充実を図るため、健やかな出産ができるよう妊婦健診の公費負担の拡充継続を行うとともに、乳幼児医療費助成対象を拡大し、子どもの医療費負担を軽減して参ります。さらに、多子世帯への経済支援として第3子以降の保育料及び幼稚園使用料の無料化の実施など、出産から子育て時期までの総合的な支援施策を段階的に検討し実施して参ります。
また、町民が健やかな生活を送ることができるよう、各種健診や健康教室等による健康づくりの充実を図るとともに、高齢者福祉においては、介護予防事業の充実や日常生活への支援を実施して参ります。
教育施設整備につきましては、就学前教育の充実を図るため、平泉幼稚園において、新たに3歳児保育の実施に向けた園舎の増築等を行って参ります。また、平泉中学校校舎の改築についても、今年度からの3カ年の年次計画により整備を進めていく予定にしており、平成21年度においては、建設検討委員会による協議を踏まえながら基本設計、実施設計を行い、教育環境の整備充実を図って参ります。
第5は、町民参画と協働の促進であります。
各行政区が地域内の課題に対して、自らの力で課題解決に当たる地域課題対応事業や、行政区等が独自の企画で発案した事業を行う行政区総合補助金事業を引き続き実施しながら、地域住民の公の部門への参画を促し、地域力の向上と行政コストの軽減を図って参ります。
また、平成19年度から実施しております地域懇談会についても継続しながら、町民との対話行政によるまちづくりを今後も進めて参ります。
第6は、行財政改革の推進であります。
社会経済情勢の変化などにより一層厳しさを増す中、行政改革大綱及び集中改革プランに基づき、目標達成に向けて取り組み状況の把握や検討などを行うとともに、進捗状況についても町広報誌や町ホームページにより町民に公表しているところであります。
今後も財政状況等の検証を踏まえ、行財政基盤の強化に向けて、未利用地の町有財産の売り払いや各種バナー広告の募集、ふるさと納税制度の活用など、歳入確保対策を総合的に推進するとともに、計画的な職員数の削減や事務事業の見直しなどに取り組み、さらには町民等の意見を行財政改革に反映させるための行政外部組織としての第三者機関を設置しながら、町の「当面の自立」に向けて健全な財政運営を目指して参ります。
次に、平成21年度の主要な施策について、平泉町総合計画の施策の大綱に沿って申し述べます。
第1に「美しい自然のまち」(「自然環境・景観保全」)について申し上げます。
◎自然環境・景観の保全
豊かな自然と美しい景観を守り、次世代へ継承するため、道路、河川等の環境整備を引き続き実施して参ります。特にも、世界遺産を目指す町にふさわしい環境にするため、一斉清掃等の統一日を設定し環境整備を行って参ります。
第2に「健やかな福祉のまち」(「保健・医療・福祉」)について申し上げます。
◎健康づくり
健やかな生活を営むことは町民誰もが願うものであり、地域活力の源であります。この実現に向け、健康ひらいずみ21に基づき、各種健診や健康教室、相談事業を通して健康の保持増進が図られるよう事業の充実及び個人に合わせた支援を推進して参ります。
また、母子保健につきましては、乳幼児健診、子育て支援事業等の充実をはじめ、引き続き妊婦健診の公費負担を14回とし、出産のリスク軽減と妊婦世帯の経済的負担軽減を図り、少子化対策の一環として支援して参ります。
うつ病をはじめとするこころの病気や自殺予防につきましては、一関保健所との共催により知識の普及啓発を図り予防に努めて参ります。
◎地域医療
後期高齢者医療制度につきましては、岩手県後期高齢者医療広域連合と連携を図りながら、引き続き制度への理解と定着を図って参ります。
歯科診療所の運営につきましては、平成22年度の民営化を踏まえて、財産処分、条例等の諸手続を円滑に進めて参ります。
◎地域福祉
災害時における要援護者支援の取り組みにつきましては、福祉関係機関と防災関係機関が連携し、災害時に援助を必要とする方の的確な把握と地域で支援する避難支援者の確保を図りながら、災害時要援護者支援プランを推進して参ります。
◎高齢者福祉
高齢者福祉につきましては、高齢者ができる限り介護状態に陥ることなく、健康で生き生きとした生活が送れるよう介護予防事業を継続的に実施し、健康レベルの向上を図って参ります。
また、平成20年度に新設いたしました家族介護手当事業を引き続き推進し、介護度の高い高齢者を在宅で介護している家族の負担軽減を図ります。併せてタクシー料金の助成、緊急通報システム機器貸与等高齢者福祉サービス事業についても引き続き実施して参ります。
◎子育て支援・児童福祉
子どもの医療費の負担軽減策として乳幼児医療費助成事業の対象を小学2年生まで拡大し、さらに第3子以降の保育料及び幼稚園使用料を無料化する新たな支援策を実施して参ります。
また、幼保一体施設への通路整備と遊具の補充、併せて志羅山児童館の屋根葺き替えを行い、各施設の環境整備を図って参ります。
入所児童のうち軽度発達障がいへの対応につきましては、引き続きたばしね学園など関係機関と連携しながら、障がい児保育の充実を図り、併せてアレルギー対応など個々の児童に合わせた食育の推進を行って参ります。
子育て支援センターにつきましては、地域の子育てサークル等との連携を一層深めながら、在園児、在宅児を問わず、全ての地域の子育てを応援するセンターとしての機能充実を図って参ります。
◎障がい者福祉
障がい者福祉につきましては、障がいのある方が自らの力で暮らしていけるよう、日常的な相談から保健、医療、福祉サービスの提供や住まい、就労の場の確保など地域生活を支援する相談体制の充実を図って参ります。
また、関係機関やサービス事業所と連携し、障がいの特性を踏まえた必要なサービスの提供を行うとともに、介護者や家族の負担を軽減するための日中一時支援事業や移動支援事業について、引き続き実施して参ります。
◎国民健康保険
国民健康保険につきましては、年間医療費の動向に加え後期高齢者医療制度等の影響を見極めながら、保険税の適正賦課と収納率の向上に努めて参ります。また、特定健診及び特定保健指導に当たっては、生活習慣改善など保健指導との連携を図りながら、効果的な疾病予防が図られるよう努めて参ります。
◎介護保険
介護保険につきましては、平成21年度から23年度までの第4期介護保険事業計画が策定されましたので、それに基づき一関地区広域行政組合と連携を図りながら制度の円滑な活用と内容の充実に努めて参ります。
◎健康福祉交流館
健康福祉交流館「悠久の湯平泉温泉」につきましては、ポイントカードの発行等による固定客の獲得に加え、観光協会などを通して、観光客へのPRにも努めてきたところであり、今後も一層のサービスの向上と経営の健全化を図りながら、町民に親しまれる施設となるよう努めて参ります。
第3に「学び楽しむ文化のまち」(「教育・スポーツ・文化振興」)について申し上げます。
◎生涯学習の推進
生涯学習の推進につきましては、町民が日々の生活の中に楽しみや充実感を見出すことができ、生きがいをもって豊かな人生が送れるよう、学習機会の拡大と学習意欲の高揚に取り組んで参ります。
◎学校教育・教育施設
学校教育につきましては、平成20年3月に新しい学習指導要領が告示され、それに沿った取り組みが開始されることから、引き続き子どもたちに基礎、基本を確実に身に付けさせるとともに、自ら学び自ら考える力を養い、心豊かでたくましい児童生徒の育成に努めて参ります。
また、平泉ならではの特色ある教育活動を展開し、郷土の歴史文化の理解を深め、豊かな知性をもった児童生徒の育成に引き続き取り組んで参ります。
社会教育施設の拠点であります平泉公民館及び平泉体育館の改修につきましては、耐震診断を実施し、その結果を踏まえながら早急に対策を講じ
て参ります。
◎世界遺産登録の推進
世界遺産登録につきましては、現在、平成23年の世界遺産登録を目指し、本年9月までに、ユネスコへの暫定版推薦書を提出するため国、県、関係市とともに推薦書の作成を行っております。今後も登録実現に向け、引き続き関係機関との一層の連携を図るとともに、平泉の文化遺産が住民に支えられ、より良い形で継承されることを目指して、啓発活動を進めて参ります。
また、本年4月にオープンする平泉文化遺産センター(仮称)につきましては、世界遺産登録を目指し、平泉の文化遺産の魅力を広く伝えるガイダンス施設として利活用を図って参ります。
◎文化財保護の推進
本町には全国的にもまれな12世紀の文化財がまとまって残されており、この文化財を後世に保存するため、引き続き国立博物館の誘致や平泉文化研究機関の設置を強く国、県に要望して参ります。
また、文化財保護法及び平泉町文化財保護条例に基づき、特別史跡「無量光院跡」や史跡「柳之御所遺跡」などの調査・復元整備を行うほか、町内遺跡から出土した遺物の重要文化財指定に向けた準備を行うとともに、現地説明会や遺跡説明会と併せ出土品の展示公開を行って参ります。
◎文化・芸術の振興
文化・芸術の振興につきましては、引き続き町芸術文化協会及び各種団体が主催する発表会や展示会活動、伝承活動への支援をはじめ、創作活動や芸術鑑賞の機会の提供に努め、町民の文化意識の高揚を図って参ります。
◎スポーツの振興
スポーツの振興につきましては、町体育協会や各行政区スポーツ推進員の協力を得ながら、スポーツ活動の普及推進と競技スポーツの強化を図って参ります。また、各地区の運動会や各種スポーツ大会についても、引き続き支援して参ります。
◎男女共同参画の推進
男女共同参画社会の推進につきましては、「男女共同参画プラン」に基づき、女性と男性がお互いにその人権を尊重しつつ、それぞれ個性や能力を十分に発揮することができるよう、男女共同参画社会の実現に向けて、リーダー育成研修や講演会などの事業を進めて参ります。
◎国際交流・国内交流への支援
国際交流につきましては、平泉国際交流協会を中心に、町民への異文化理解を深めるため、引き続き国際交流や国際理解の活動を支援し、世界遺産にふさわしい町を目指して参ります。
また、中国天台県との交流につきましては、引き続き児童、生徒の書画作品等の学校間交流を行っていくとともに、今後は民間レベルも含めて友好的な交流が進められるよう具体的な検討をして参ります。
国内交流につきましては、水かけ神輿での東京都江東区との交流など、各種団体における活動を通しながら他地域との交流が活発化するよう支援して参ります。
第4に「快適な生活環境のまち」(「生活環境の保全整備」)について申し上げます。
◎景観対策
平泉の文化遺産にふさわしい自然、農村、街並み、屋外広告物、公共施設などの文化的景観を構成する資産全体の調和による、さらなる美しい景観のまちの実現に向けて、屋外広告物法に基づいた「屋外広告物条例」の早期制定を目指し、官民一体となり進めて参ります。
◎住宅対策
個人住宅につきましては、引き続き木造住宅耐震診断支援事業及び耐震改修事業を建築士会と連携しながら取り組んで参ります。
また、町営住宅につきましては、町内7カ所の住宅団地の適正な管理運営に努めるとともに、老朽化した住宅の補修や解体を行い、併せて跡地利用等についても検討して参ります。
◎河 川
河川事業につきましては、準用河川・笹谷川改修事業が平成20年度で完了したことから、今後は河川維持を中心に取り組んで参ります。
また、一関遊水地事業につきましては、小堤及び衣川堤防の工事が着実に進んできており、今後とも関係機関が十分に協議を行いながら、水害から住民の生命財産を守り、快適で安全な生活ができるよう努力して参ります。
◎水道事業
水道事業につきましては、地域水道ビジョンを基に施設の改修と老朽化した配水管の布設替えを中心に整備して参ります。また、水需要が低迷し厳しい経営状況ではありますが、一層の経費節減と維持管理の強化など、簡易水道事業と併せて安定供給と経営改善に努めて参ります。
◎下水道事業
下水道事業につきましては、引き続き管路施設の整備を推進し、長島中央地区農業集落排水施設も含めて、維持管理の強化と水洗化率の向上に努めて参ります。さらに、浄化槽設置の補助事業についても継続実施し、公共下水道と農業集落排水の3事業により公共用水域の水質保全と快適な生活環境の向上を図って参ります。
◎環境衛生
一般廃棄物の処理につきましては、分別収集の徹底をさらに図るとともに、マイバック運動などによるゴミの減量化を推進しながら、循環型地域社会の構築に努めて参ります。
また、地球温暖化防止対策の一環として、平成14年に策定した「省エネルギービジョン」の取り組みを踏まえ、二酸化炭素等の温室効果ガス削減を目指して、町内の民間団体等が自主的な実践を行う組織として、「平泉町地球温暖化対策地域協議会」の設立に向けて取り組みを進めて参ります。
◎消防・防災
本町における昨年の出火件数は前年より1件減少したところであり、今後とも、災害のない安心・安全なまちづくりを目指し、引き続き防火思想の普及徹底と防災体制の整備を進めて参ります。
また、常備消防につきましては、一関市に消防事務を委託しており、一関市消防本部及び一関西消防署平泉分署と緊密な連携を図りながら、常備消防活動や救急医療の即応体制などの強化を進めて参ります。
近年発生した大規模地震や風水害等による教訓を基に、地域防災計画の見直しや複雑多様化する災害、事故に対処するため、消防車両等の更新、さらには自主防災に対する組織づくりや育成支援など、地域における総合的な防災力の強化に取り組んで参ります。
◎交通安全
交通安全の推進につきましては、国道4号平泉バイパス開通に伴い町内の交通環境が変化する中で、死亡事故ゼロ日数の継続や高齢ドライバーの増加に伴う事故防止対策など、引き続き「交通事故のない安全な町」の実現に向けて取り組んで参ります。
◎消費者行政
消費者庁の設置に伴い法改正が行われて、都道府県及び市町村による消費生活相談等の事務の実施が明記されたことから、本町においても関係機関と連携を図りながら、消費者からの相談や苦情処理の斡旋の窓口について強化して参ります。
第5に「活力ある産業のまち」(「産業振興」)について申し上げます。
◎農業の振興
本町の農業振興の一つとして、観光という特徴を活かし、有機的に結びつけた農業施策が必要であり、特に多くの観光客に直接提供できるものとして農産加工品の充実が急務であります。そこで町内に農産加工施設を整備し、地元農産物を使用した農産加工品の製造、販売を行う体制の整備を図りながら、食による魅力あるまちづくりの一環として進めて参ります。
水田農業につきましては、米の生産調整目標面積の達成を図るとともに、転作作物への産地確立交付金の重点配分や水田等有効活用促進交付金の活用を促進して参ります。
また、グリーン・ツーリズムの推進につきましては、おうしゅうグリーン・ツーリズム推進協議会と連携し、受け入れ農家の意識向上や体験学習を希望する学校数の増加を図り、文化遺産の町「平泉」を発信するとともに、農家所得の向上に努めて参ります。
◎畜産の振興
本年2月に設立した「いわて南牛振興協会」は、両磐地域全域を産地としながら、優良黒毛和牛肉牛を安定的に供給できる地盤を確立するものであり、「いわて南牛」のブランド化を目指していくことから、本町においても積極的に参画し当地方の産地化の確立に努めて参ります。
◎林業の振興
林野庁では「木の文化」を継承するため、「古事の森」事業を全国的に展開しており、東北では初めての事業として、平成23年に世界遺産登録を目指している「平泉」を選定し、準備を進めております。本町としても、この事業を神社仏閣等の修復木材の確保と森林づくり活動の象徴として位置づけ、町民参加による取り組みを進めて参ります。
◎商工業の振興
商工業の振興につきましては、平泉商工会が平成20年度地域資源全国展開プロジェクト事業を導入し開発した「ぢ(ぢ地)こめ(こめ))こ(こめ)入り平泉かわらけ煎餅」など3点の新商品について、本町の特産品として積極的に情報発信し、販売促進につなげて参ります。
平泉ブランドを活用した地域づくりの一環として、平泉生まれの特産品、土産品等を広くアピールし、併せて購買者の信頼を高め地場産業の活性化を図るために創設された「平泉ブランド認証制度」を支援し、商工業活動の促進を図って参ります。
また、企業誘致につきましては、昨今の景気不況の中で非常に厳しい状況ではありますが、県企業立地推進課と連携しながら、高田前工業団地の分譲可能面積約1.2ヘクタールについて誘致活動を進めて参ります。
◎観光の振興
観光の振興につきましては、今後、世界遺産登録が実現した際に、今まで以上に多くの観光客が来訪することが予想されることから、それらに対応すべく、多言語による案内表示やパンフレット、ホームページの充実などを図っていくとともに、平泉の観光地としての評価やニーズを的確に把握し、改善すべき点については速やかに対応して参ります。
また、団体旅行から個人旅行への変化に対応し、巡回バス「るんるん」などの二次交通の充実を図り、外国人観光客でも気軽に利用し、周遊できる環境の整備を図るとともに、リピーターの創出や閑散期における観光需要を喚起するため、食をはじめとした平泉の新たな魅力発掘のためのプロジェクトを立ち上げ、モニター評価を実施しながら、新たな観光資源としての活用を図って参ります。
広域的には、観光庁が日本の観光地の魅力と国際競争力を高めるために、観光圏事業を立ち上げ、本町も仙台市など6市4町による「伊達な広域観光圏」を形成し、平成20年度に認定されたことから、今後もさらにその事業を推進し、平泉の特性を活かした良質なサービスの提供や関係機関の協力及び観光地間相互の連携を図って参ります。
◎雇用対策
現在の雇用情勢の急激な悪化に伴い、国で創設された「緊急雇用創出事業」及び「ふるさと雇用再生特別基金事業」を活用し、町内で離職を余儀なくされた非正規労働者、中高年齢者等の失業者に対して、地域における継続的な雇用機会の創出や次の雇用までの短期雇用の創出等の事業について実施して参ります。
第6に「行き交う便利なまち」(「交通基盤整備」)について申し上げます。
◎道路網
国道4号平泉バイパス及びアクセスする町道につきましては、平成20年8月に供用開始しており、平成21年度は関連する道路の整備を進めて参ります。
また、町道中学校線及び町道髢石線につきましては、主要地方道平泉厳美渓線までの間を引き続き整備して参ります。
県道平泉停車場中尊寺線につきましては、「中尊寺通りまちなみ整備検討会」において、歩行者と景観に配慮した「街並み」整備の検討を行っており、その方向性について住民の合意形成を図るため、今後さらに検討、協議を行いながら、県と連携し早期整備に向けて取り組んで参ります。
一関遊水地事業に係る小堤工事及びJR衣川鉄道橋の架け替え工事等も順調に事業が進んできており、本町としては工事車両の交通安全対策などに対応しながら、事業促進に向けて引き続き協力して参ります。
平泉スマートインターチェンジ(仮称)につきましては、中尊寺パーキングエリアの下り線への設置を県へ整備支援要望しており、今後は国、県とともに調査研究を実施しながら、引き続きスマートインターの整備に向けて協議を進めて参ります。
◎道の駅
道の駅につきましては、駐車場台数の問題などいくつかの課題について、現在、関係機関と協議を行っており、課題解決の折には、速やかにその実現に向けた対応を図って参ります。
◎土地利用
黄金沢土取跡地につきましては、平成21年度に国土交通省から土地所有者への返還予定となっておりますので、今後は土地開発地権者会及び一関市と連携を図りながら、跡地利用についての検討を行い、有効な土地利用に向けて関係機関と協議を進めて参ります。
◎生活交通
生活交通対策につきましては、平成21年度当初より前沢方面の循環線が廃止となり、衣川方面から一関、水沢方面に向かう2路線についても、平成21年10月以降、運行の継続が難しい状況になることから、それらの影響を最小限に留める施策や代替措置などについて検討を行って参ります。
また、既存の公共交通機関におきましても、観光客のニーズに対応しながら活性化していく取り組みを展開していくとともに、交通空白地帯解消に向けた施策についても検討して参ります。
◎地域情報網
地域情報化の推進につきましては、通信事業者への要望活動等により、光ファイバ網のサービス利用が町内一部地区で可能となっております。今後は、国が目指す平成22年度までのブロードバンド未整備地域の解消戦略に基づき、光ファイバ網等ブロードバンドの整備地域拡大に向け、県や通信事業者と連携しながら取り組みを進めて参ります。
また、地上放送のデジタル化への対応につきましては、平成23年7月に予定されているデジタル放送への完全移行に向け、県と連携しながら、国及び放送事業者の取り組みについて迅速な情報収集に努めております。今後は、国と放送事業者が示すデジタル放送カバー地域のシミュレーションマップや、今年夏までに策定される「地デジ難視地区対策計画」(仮称)の内容を注視しながら、適切な対応を実施して参ります。
第7に「共に創るまち」(「官民協働」)について申し上げます。
◎住民参画・地域活動
住民参画と地域活動の促進につきましては、引き続き各行政区における地域課題対応事業や行政区総合補助金事業などを通じて、新たに協働実施可能な事業の掘り起こしや行政区の個性豊かな事業の企画提案などを含め、公の部門への町民のさらなる参画を促すとともに、行政コストの軽減を図って参ります。
また、町民との対話による町政を進めるため、平成21年度におきましても地域懇談会を開催し、今後のまちづくりに向けて、地域の声を反映させた「協働のまちづくり」を進めて参ります。
平泉の歴史と文化は町の誇りであるとともに、日本を代表する優れた文化遺産であります。このかけがえのない貴重な財産を次の時代、千年先まで継承し、“世界遺産登録”を目指すまちとして、世界に向けて発信し、「平泉の文化遺産」を守り続けていくことが現在に生きる私たちの責務であると考えております。
また、社会経済情勢が大きく変化した今日、地方自治体の置かれている状況は一段と厳しい中、行政運営には時代の変化や社会情勢に即応した新しい行政体としての変革が常に求められていると認識しております。
そのためには行政のトップとして、常に生活者の立場に立った住民視点による町政運営を行っていくことは当然のことであります。町民一人ひとりが暮らしやすく、地域に根ざした活動ができるよう支援していきながら、地域を基礎とした町全体の活性化を図り推進していくことが、現在のまちづくりに必要なことと考えております。
このような中、世界遺産にふさわしい環境、空間、文化を兼ね備え、“住む人にも町を訪れる人にも良さが感じられるまちづくり”を目指し、町民の皆様と議員各位の英知を結集し、いつでも夢を持ち、理想を描き、「小さくともキラリと光るまちづくり」に向けて、町政を推進して参りたいと考えております。
今回、提案いたしました平成21年度平泉町一般会計・特別会計予算並びにその他の議案につきまして議員各位のご理解とご協力、そして町民の皆様方の町政への参画を心からお願い申し上げ、私の施政方針の表明といたします。
平成21年3月9日
平泉町長 高橋 一男
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