平成23年度町長施政方針演述



1 はじめに

   平成23年第1回平泉町議会定例会の開催にあたりまして、平成23年度の町政運営の基本方針及び主要な施策について、所信の一端を申し上げます。
   町長として、初めて新年度を迎えるにあたり、責任の重さと使命の大きさに改めて決意を新たにしたところであります。
   本年におきましても、「平泉町に住んでいてよかった」と町民の皆様が感じるまちづくり、さらには「ぜひ、このまち“平泉”に住んでみたい」と思われるような魅力あるまちづくりを目指して、全力で取り組んで参ります。

   世界的な金融危機以降、長期化するデフレ不況により、厳しい雇用環境と個人消費の低迷が続き、景気回復への不透明感が増しております。さらには、少子高齢化と生産年齢人口の減少が進行する中、持続可能な社会保障制度とその財源確保の対応が遅れており、社会への閉塞感、将来への不安感が高まっております。
   一方、国では、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加に向け、関係国との協議を進めると表明しており、本町の農業におきましても大きな影響が予想されることから、その動向を注視して参ります。
   また、本年1月には、日本経済復活に向けた「新成長戦略実現2011」が閣議決定され、デフレ脱却と雇用対策を重点とした経済成長の実現が、確実に実施されるものと期待しております。

   地方分権時代にふさわしい新たな自治を確立するため、国主導型から地域主導型行政への転換に向け、これまで様々な制度が改正され、地方分権は今まさに実行段階を迎えております。これからの自治体には、町民との協働を基本に、あらゆる面で「自立するまちづくり」を目指していくことが求められています。
   そのためには、「新しい公共の推進」「地域主体のまちづくりの推進」など地方分権時代にあった「自立するまち」を住民と行政が協働して築き、まちの地域力を高めていくことが重要であると考えております。

   平成23年度の予算編成につきましては、財政健全化路線を継続する中、大型事業である平泉中学校校舎改築工事が最終年度を迎え、対前年比増の積極型予算となり一般会計で13.6%増の43億1千7百万円となりました。
   歳入面では、地域主権改革に沿った財源の充実により普通交付税が増加となったほか、中学校校舎改築や子ども手当に係る国庫支出金の増加が見込まれますが、地方債の発行に加え、財政調整基金やその他の主要基金を一部取り崩して必要な財源を確保したところであります。
   歳出面では、町道整備事業を継続2路線、新規4路線の計6路線で実施するほか、昨年に引き続き緊急雇用対策の実施や子ども手当の交付など普通建設事業費や物件費、扶助費が増加となる一方、公債費や補助費等が減額となりました。
   刻々と変わる社会情勢に柔軟に対応しながら、引き続き「平泉町第3次行政改革プラン」に基づいた財政健全化を図って参る所存であり、限られた予算ではありますが「やすらぎと文化をおりなす千年のまちづくり」という将来像の実現に向け、事業の重点化を図り予算編成に配意したところであります。

   平成23年度は、今議会に提案しております新しい平泉町総合計画基本構想がスタートする節目の年であります。将来を見据えたまちづくりへの重要な一年と捉え、より質の高い行政サービスを展開するため、効率的な町政運営を進めて参ります。
   以下、平成23年度の重点施策及び主要施策について申し述べます。


2 重点施策

   はじめに、平成23年度の施策の柱である5項目について申し述べます。


2−1 世界遺産登録への対応と活用推進

   第1は、世界遺産登録への対応と活用推進であります。
   「平泉の文化遺産」の世界遺産登録再チャレンジの取り組みにつきましては、昨年秋のイコモスによる現地調査が行われ、登録に向けた手続きが完了したところであります。本年は、5月にイコモスの勧告、6月に開催されます第35回世界遺産委員会において登録の可否が審議される予定です。
    今後も引き続き国・県・関係機関としっかり連携し、登録を目指して最大限の努力をして参ります。
   また、観光客の受け入れ体制についても、道路交通網の整備や渋滞対策、臨時駐車場、公共交通機関の充実など早期整備に努めて参ります。
   あわせて、平泉ナンバーの実現に向けて、民間と行政が一体となった運動を推進し、世界遺産登録の一層の機運醸成を図って参ります。


2−2 保育・福祉・教育の充実

   第2は、保育・福祉・教育の充実であります。
   急速に進む少子高齢化のもとで、町民の誰もが「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」を実現し、健康で生きがいを持ち、地域の中で共に支え合い、安心して暮らせる地域福祉活動の育成・支援に努めて参ります。特にも子育て支援につきましては、社会全体で支えていくことが求められており、「平泉町次世代育成支援行動計画」に基づき、子どもを安心して産み育てることができる環境づくりの施策を推進して参ります。
   また、町民が健やかな生活を送ることができるよう、各種健診や健康教室等による健康づくりの充実を図るとともに、高齢者福祉においては、介護予防事業の充実や日常生活への支援を実施して参ります。
   さらに、教育の充実につきましては、学力の向上と人を思いやる心の教育の充実を図るとともに、生きる力と豊かな感性を育む取り組みを推進して参ります。
   また、快適な学校環境の整備に向けて、今年度で事業完了となる中学校校舎の改築を進めて参ります。


2−3 若者の定住化対策と産業の育成

   第3は、若者の定住化対策と産業の育成であります。
   人口減少が進んでいる本町の現状において、これからの平泉を担う若者や子どもたちの定住化に向けて、高田前工業団地や黄金沢企業誘致用地への積極的な企業誘致を進め、地域経済の活性化と雇用の確保を図って参ります。
   本町の基幹産業である農業につきましては、新規就農者や新たに営農組織を立ち上げる農業者に対して積極的な支援を図るとともに、地元農産物を有効活用した6次産業としてのアグリビジネスの推進や、世界遺産登録を見据えた観光と農業・農村の多面的機能を生かした多様な取り組みなど地場産業の活性化に向けて取り組んで参ります。
   また、商工業の活性化につきましては、平泉商工会と連携し、後継者の育成や、地域に密着したサービスなどによる事業者の基盤強化を図るとともに、空き店舗の有効活用やインターネットを活用した事業などの推進に努めて参ります。また、中小企業の厳しい経営環境に対応し、金融機関と連携して各種融資制度の周知に努めて参ります。


2−4 地域主体のまちづくりの推進

   第4は、地域主体のまちづくりの推進であります。
   地域の資源を最大限活かし、住民自らが地域のことを考え、主体的に行動し、行政と一体となって地域づくりを進めていくことがまちづくりへとつながり、このことが地域力の向上にもつながっていくものと考えております。
   これまで、各行政区が主体的に取り組んできました地域課題対応事業については、事業内容の検証を図り、改善方法などについて検討して参ります。また、各行政区が独自の企画で発案した事業を行う行政区総合補助金事業についても、事業効果の検証を行いながら、町民の公の部分への参画を促し、一層の地域力の向上と行政コストの軽減を図って参ります。
   さらに、地域懇談会についても、町民との対話行政によるまちづくりに向けて、より多くの町民の方が参加できるよう開催方法などを検討しながら今後も進めて参ります。


2−5 行財政改革の推進

   第5は、行財政改革の推進であります。
   景気の低迷など厳しい社会情勢の中、「平泉町第3次行政改革大綱」や新たに策定する行政改革プランに基づき、自己決定、自己責任のもと引き続き行財政改革を推進して参ります。
   具体的には、行政情報の積極的な公表や事務事業評価とPDCAサイクルによる事業の見直し、また公共施設の維持管理計画の策定や財源確保対策など長期的な視点に立ち、「町の自立」を実効あるものにしていくためにも持続可能な行財政運営を目指して参ります。


3 主要施策

   次に、平成23年度の主要な施策について、新平泉町総合計画の施策の大綱に沿って申し述べます。


3−1 健康・福祉・子育て応援のまち

   第1に「健康・福祉・子育て応援のまち」について申し上げます。

◎保健・医療の充実

   健やかな生活を営むことは町民誰もが願うものであり、地域活力の源であります。この実現に向け、「健康ひらいずみ21」プランに基づいた各種健診や健康教室、相談事業を通し健康の保持増進のため、事業の充実や個人に合わせた支援を図って参ります。特にも検診助成を実施することにより、女性特有のがんや大腸がん検診の受診促進と早期発見、正しい健康意識の普及を図ります。
   また、うつ病をはじめとするこころの病気や自殺防止対策につきましては、庁内連絡会議や関係機関との情報共有、傾聴ボランティアの養成を図り、こころの健康維持や自殺防止のための普及啓発に努めて参ります。
   医療対策につきましては、一関市医師会等との連携協力を図りながら在宅当番医制事業や小児・成人夜間救急医療対策事業など、広域での地域医療体制の充実に努めて参ります。

◎地域福祉の充実

   生活困難家庭や一人暮らし高齢者などの生活を支えて行くことが重要な課題となっていることから、民生委員などによる地域での見守りやつながりを支援していくとともに、社会福祉協議会との連携による地域福祉活動の支援強化を図って参ります。
   また、福祉関係機関と防災関係機関が連携を図りながら、引き続き災害時要援護者への個別支援プランの登録を推進して参ります。

◎高齢者福祉の充実

   高齢者福祉につきましては、高齢者が健康で生き生きとした生活が送れるよう、「高齢者総合相談センターひらいずみ」等との連携を図りながら、相談事業や介護予防事業を継続的に実施するとともに介護予防ボランティアの養成を行い、高齢者を地域で支援する体制づくりの整備を図って参ります。
   また、在宅介護支援につきましても、家族介護手当やタクシー料金助成等の高齢者福祉サービス事業を引き続き実施して参ります。
   さらに、特別養護老人ホーム等の待機者解消につきましては、一関地区広域行政組合と連携を図りながら進めて参ります。

◎障がい者福祉の充実

   障がい者福祉につきましては、障がいのある方が自らの力でその人らしく暮らしていけるよう、日常的な相談や保健・医療・福祉サービスの提供に努めて参ります。また、住まいや就労の場の確保など地域生活を支援する相談体制の充実を図るとともに、障がい者福祉施設整備に向けて支援して参ります。
   また、関係機関やサービス事業所と連携し、障がいの特性を踏まえた必要なサービスの提供を行うとともに、介護者等の負担を軽減するため、引き続き日中一時支援事業や移動支援事業を実施して参ります。

◎子育て支援の充実

   「平泉町次世代育成支援行動計画」に基づき、すべての子どもと子育て家庭を支援する環境づくりの一環として、施設の老朽化等により整備が計画されている長島保育所について、国の経済対策交付金を活用して改築整備を行い、保育環境の早期充実を図って参ります。
   子どもの医療費助成につきましては、対象者を小学生から中学生まで拡大するとともに、就学前の乳幼児医療費を完全無料化とするなど、子育て家庭への経済的な支援拡充を図って参ります。
   安心して子どもを産み育てられる環境づくりとして、引き続き妊婦健診の公費助成など妊産婦に対する支援を進めるとともに、乳幼児健診の充実、さらには小児用肺炎球菌ワクチン・ヒブワクチン・子宮頸がん予防ワクチンに係る費用についても公費助成による予防接種の充実を図って参ります。
   また、不妊に悩む夫婦への支援として、新たに特定不妊治療の助成を行うなど少子化対策の一環となるよう努めて参ります。
   さらには、ことばや発達等の遅れのある幼児に対しましては、療育教室やことばの教室の開催などにより早期療育事業の充実を図って参ります。

3−2 魅力と活力にあふれる産業のまち

   第2に「魅力と活力にあふれる産業のまち」について申し上げます。

◎農業の振興

   農業者戸別所得補償制度につきましては、戸別所得補償モデル対策を踏まえて、引き続き、米の生産数量目標に即した取り組みと合わせ、水田を活用した麦・大豆や新規需要米等の生産を基本として推進して参ります。
   また、畑作物につきましては、戸別所得補償制度が拡大されることから、関係機関と連携を図りながら農業者の協力を得て、制度の円滑な取り組みを推進して参ります。
   平泉町農産物加工直売施設につきましては、オープンから1年が経過したことから、これまでの運営状況を点検見直し、効率的、効果的な施設の管理運営を今後とも図って参ります。また、6次産業を含めた先進的な農業経営を行っている農業団体に対しては、農産加工品の販売ルートの開拓や経営指導、パッケージ研修など効果的な支援を行って参ります。
   また、民泊推進プロジェクト事業におきましては、これまで新たな民泊システムと受入組織づくりに取り組んできたことから、今後は受け入れに向けて、協議会の立ち上げと受入農家等の参加拡大を図って参ります。
   農地・水・環境保全向上対策につきましては、制度が一部拡充されたことから中山間地域等直接支払制度と併せて、耕作放棄地の防止や農用地の多面的機能の確保に向けて、一層事業効果が図られるよう進めて参ります。
   さらに、農村の過疎化や高齢化を背景に農業後継者不足が深刻化してきていることから、新たな農業の担い手づくり対策として、Uターン者も含め広く都市住民などを対象に、県農業公社や農業改良普及センター等と連携を図りながら、就農相談や研修制度、農業経営などの必要なサポートを行うなど、新規就農者への取り組みを積極的に進めて参ります。

◎畜産の振興

   いわて南牛のブランド販売につきましては、いわて南牛振興協会を中心に首都圏などによるイベントでの販売促進を通じて、取扱店舗の拡充を図っていることから、本町においても生産地として安定的に供給できる地盤の確立を目指し畜産農家を支援して参ります。
   また、家畜防疫対策については、昨年の口蹄疫対策の教訓を活かし、日常的な予防措置の徹底を図り、感染を未然に防止するため、家畜保健衛生所等と連携しながら、畜産農家へ情報提供等を行って参ります。

◎林業の振興

   林業の振興につきましては、国における森林・林業を再生していくための指針「森林・林業再生プラン」を推進していくために、「平泉町森林整備計画」の見直しを図って参ります。
   また、平泉古事の森事業につきましては、小学生を主体とした森林教室や植樹の開催、木の文化の伝承や森林への理解を深めるための取り組みなど、貴重な歴史的木造建造物を維持・継承するための森林づくりの普及を引き続き進めて参ります。
   さらに、西行桜の森木工芸館と大文字キャンプ場につきましては、あじさい散歩、木工教室のイベント開催や施設のPRなどにより、利用者の増加を図りながら一層親しまれる施設づくりに努めて参ります。

◎商業の振興

   商業の振興につきましては、平泉商工会が地域づくりの一環として取り組んでいる平泉ブランドの64品目をはじめ、平泉生まれの特産品・土産品等を広く県内外へアピールし、購買者の信頼を高めながら地場産業の活性化に向けて取り組んで参ります。
   また、平泉商工会との連携を図りながら中尊寺通りの空き店舗を有効に活用するなど、魅力ある商店街づくりに向けて積極的に取り組んで参ります。

◎工業の振興

   工業振興につきましては、中小企業の資金調達の円滑化に向けて、「平泉町中小企業振興資金貸付制度」を活用し、中小企業が町内金融機関から低金利での融資が受けられるなど、中小・小規模企業の事業継続や雇用が守られるよう支援して参ります。
   企業誘致につきましては、円高不況などの経済情勢により生産工場を海外へシフトするなど一段と厳しい情勢ではありますが、新たな雇用の創出や地元企業の受注増など、地域経済への波及効果が大きいことから、今後も高田前工業団地や黄金沢企業誘致用地への積極的な誘致活動を進めるために、県との連携を図りながら企業立地に向けて取り組んで参ります。

◎観光・交流の推進

   本年6月に世界遺産登録が実現した際には、国内外から多くの観光客が訪れるものと予想されることから、平泉観光案内所を増築し、観光客への対応の一層の充実を図って参ります。また、巡回バス「るんるん」やシャトルバスなど二次交通の充実を図り、交通渋滞の緩和対策など受け入れ体制の整備を進めて参ります。
   全国JRグループ6社の協力により開催される「いわてデスティネーションプレキャンペーン」の実施や世界遺産登録を記念したイベントの開催などにより「平泉の文化遺産」を広く情報発信し、多くの観光客の誘客を図りながら地域の活性化にもつなげて参ります。
   また、広域交流の拠点としての道の駅整備においては、検討会を立ち上げ整備に向けた計画策定などを進めて参ります。
   国際交流につきましては、昨年5月に友好交流都市として締結した中国天台県との児童・生徒による作品の交流を引き続き実施するとともに、今後も平泉町国際交流協会との連携を図りながら、エジプト・ルクソールやマルコポーロ生誕の地と伝えられているクロアチアとの交流について検討して参ります。

◎雇用対策の充実

   国で創設された「緊急雇用創出事業」や「ふるさと雇用再生特別基金事業」を活用し、町内で離職を余儀なくされた中高年齢者等の失業者に対して、地域における継続的な雇用機会や再就職までの短期雇用の創出等の事業を引き続き実施し、町民の雇用対策の充実を図って参ります。


3−3 人が輝く教育・文化・スポーツのまち

   第3に「人が輝く教育・文化・スポーツのまち」について申し上げます。

◎生涯学習社会の形成

   生涯学習につきましては、教育振興運動を中心に、学校支援地域本部事業や放課後子ども活動における地域住民によるボランティア活動を推進して参ります。また、公民館や図書館で企画する事業等を検証しながら拡充を図って参ります。

◎生涯スポーツの振興

   生涯スポーツにつきましては、町民が生涯にわたり参加できる日常的なスポーツ活動の普及振興に努めて参ります。特にも本年度においては行政区の垣根を越えた町民大運動会を開催し、町民の健康増進と親睦を図って参ります。
   また、社会体育施設においては、町体育館の早期建設整備に向けて、総合計画や財政計画との整合性を図りながら引き続き検討して参ります。

◎幼児教育・学校教育の充実

   町民の多様なニーズに対応した幼児教育に向けて、子どもたちの視点に立った総合的な教育を図るため、二葉きらり園における幼保一体化をさらに充実させて参ります。
   また、学校教育におきましては、特に英語教育における外国語指導助手(ALT)の導入を継続していくとともに、ICT環境整備事業を活用しながら特色のある教育を推進して参ります。

◎青少年の健全育成の推進

   青少年の健全育成につきましては、「平泉の文化遺産」をはじめとする郷土の歴史・文化について学び、より見識を深める学習機会の提供を行いながら、地域に誇りを持てる青少年の育成に努めて参ります。

◎地域文化の振興

   町民に優れた文化・芸術にふれる機会の場を提供していくとともに、町芸術文化協会や各種団体が主催する発表会や展示会、伝承活動への支援を図りながら、町民の文化意識の高揚に努めて参ります。

◎文化遺産の保存と活用

   本町には全国的にもまれな12世紀の文化財がまとまって残されており、この文化財を後世に保存するため、引き続き国立博物館の誘致や平泉文化研究機関の設置を強く国、県に要望して参ります。
   また、平泉遺跡群を中心とした発掘調査を進めるとともに、特別史跡「無量光院跡」や「中尊寺大池跡」の史跡の復元整備に向けて取り組みを進めて参ります。
   さらに、昨年6月に町内遺跡から出土した1,262点の遺物が国指定重要文化財に指定されたことから、平泉文化遺産センターにおいて、これらを来訪者にわかりやすく説明するためのデータベース化を図りながら、一般公開するなど、「平泉の文化遺産」を積極的に国内外に情報発信して参ります。


3−4 自然にやさしい快適生活環境のまち

   第4に「自然にやさしい快適生活環境のまち」について申し上げます。

◎環境保全活動の推進

   環境保全活動につきましては、住民・事業者・行政の協働による取り組みを推進するための「環境基本計画」及び「環境基本条例」の制定に向けた取り組みを進めて参ります。
   また、太陽光発電システムの一般家庭への設置補助を継続するとともに、ひらいずみ地球温暖化対策協議会と協働し、地球温暖化防止の啓発と実践活動を推進して参ります。

◎廃棄物処理対策の充実

   一般廃棄物処理につきましては、ゴミの分別収集の徹底と減量化を推進し、さらに不法投棄の監視や防止対策を強化するなど、循環型社会の構築に向けて取り組んで参ります。

◎上水道・下水道の整備

   水道事業につきましては、「平泉町地域水道ビジョン」に基づいて、緊急性、重要性の高い耐震対策や老朽化対策として、施設設備の更新を優先的に整備して参ります。
   また、水需要が低迷し厳しい経営状況であることから、有収率の向上や事務経費節減、施設維持管理の強化など経営改善を図りながら、水の安全・安心・安定供給に努めて参ります。
   下水道事業につきましては、引き続き管路施設の整備を推進し、長島中央地区農業集落排水施設も含めて、維持管理の強化と水洗化率の向上に努めて参ります。さらに浄化槽設置においても、これまで同様に補助事業を継続実施しながら、公共下水道と農業集落排水の3事業による水質保全と快適な生活環境の向上を図って参ります。

◎公園・緑地・水辺の整備

   自然を活かした親水空間としての水辺プラザにつきましては、今後も多くの町民に利用されるよう、引き続き維持管理に努めて参ります。

◎景観の保全・整備

   豊かな自然と美しい景観を守り、次世代へ継承するため、道路、河川等の環境整備を引き続き実施して参ります。
   また、景観法に準拠した「景観条例」や屋外広告物法に基づいた独自の「屋外広告物条例」の周知を図り、官民一体となって、「平泉の文化遺産」にふさわしい自然・農村・まちなみなどの文化的景観を構成する資産全体の調和による美しい景観のまちづくりに向けて取り組んで参ります。


3−5 定住と交流を支える生活基盤のまち

   第5に「定住と交流を支える生活基盤のまち」について申し上げます。

◎道路・交通網の整備

   道路・交通網の整備につきましては、町道中学校線をはじめ道路整備を進めていくとともに、地域課題要望の多い生活道路の維持修繕についても、優先順位を検討しながら順次対応して参ります。
   県道平泉停車場中尊寺線の道路整備につきましては、道路整備を行う県や地域住民と連携して、「平泉らしい景観に配慮したまちなみづくり」に継続して取り組んでいくとともに、早期完成に向けて県に要望して参ります。
   平泉スマートインターチェンジ(仮称)につきましては、国や県とともに計画実現に向けた環境整備に努めて参ります。
   また、生活交通対策につきましては、高齢者等の交通弱者に対する交通確保と利便性の向上を図るため、利用しやすい公共交通体系の構築に向けて検討して参ります。

◎住宅・市街地の整備

   住宅につきましては、木造住宅耐震診断支援事業や耐震改修事業、住宅リフォーム事業を町内の建築士と連携し取り組んで参ります。
   また、町営住宅につきましては、町内7地区の住宅の適正な管理運営に努めるとともに、既存住宅を長期的に有効活用していくための平泉町公営住宅等長寿命化計画に基づき、効率的な修繕や改善を実施して参ります。

◎交通安全の充実

   交通安全対策につきましては、高齢ドライバーの増加に伴う事故防止対策などにおいて、交通指導隊や交通安全母の会などの関係団体と連携を図りながら、交通安全運動の推進による「交通事故のない安全な町」の実現に向けて取り組んで参ります。

◎消防・防災体制の充実

   消防につきましては、消防団を取り巻く社会環境が厳しい中、「消防団協力事業所表示制度」を活用して、事業所との協力体制を強化し、消防団の活性化と消防力の充実に努めて参ります。
   防災につきましては、近年、全国各地で局地的な豪雨や地震など自然災害が発生し、大きな被害をもたらしていることから、「平泉町地域防災計画」に基づき、防災意識の高揚や防災体制の強化に向けた取り組みを積極的に推進して参ります。
   また、一関遊水地事業におきましては、水害を未然に防止し、安全で安心できる地域社会の実現を図るため、小堤築堤等の治水施設の早急な整備促進に向けて関係機関と連携を図りながら国に要望して参ります。

◎情報化の推進

   地域情報化の整備につきましては、県や通信事業者と連携しながら光ファイバ網のサービス利用可能地域の拡大や携帯電話を利用した情報通信技術の利用について検討を図って参ります。
   また、本年7月に完全移行される地上デジタル放送への対応に向けて、国や放送事業者が行う取り組みや地上デジタル放送難視地区対策計画などを注視し、県や関係機関との連携を図りながら、適切な対応を実施して参ります。

◎消費者行政の充実

   消費者問題が増加し、その内容も複雑多様化する中、本年4月より一関市・藤沢町と連携して広域的消費生活相談窓口を開設し、専門の消費生活相談員を配置するなど消費生活相談体制の強化を図って参ります。
   また、啓発活動などにより消費者意識の向上を図りながら、より安全で安心した消費生活が送れるよう、自立した消費者の育成に努めて参ります。


3−6 みんなで進める協働のまち

   第6に「みんなで進める協働のまち」について申し上げます。

◎町民参加のまちづくりの推進

   町民参加のまちづくりにつきましては、町民自らが積極的にまちづくりに参画できるよう、ボランティアやNPO等の多様な住民団体の育成に向けて取り組んで参ります。
   また、町民との対話による町政を進めるために、地域懇談会をはじめとし、農業や商工業等の各種団体との懇談会を開催するなど、より多くの町民の方が参加できるよう開催方法を検討して参ります。

◎コミュニティ活動の充実

   コミュニティ活動の充実に向けて、各行政区における地域課題対応事業や行政区総合補助金事業などの検証を行いながら、新たな協働実施可能な事業の掘り起こしや個性豊かな事業の実施を進めるなど、公の部門への町民のさらなる参画を促し、一層の地域力の向上と行政コストの軽減を図って参ります。

◎男女共同参画の推進

   男女共同参画の推進につきましては、「平泉町男女共同参画プラン」に基づき、関係団体との連携を図りながら、各種講座の開催や女性のための相談事業、活動団体への支援などを実施し、男女共同参画社会の実現に向けて取り組んで参ります。

◎持続可能な自治体経営の推進

   地方分権社会が進展し、住民ニーズが多様化する中、様々な政策課題に柔軟に対応するため、引き続き行財政改革を推進するとともに、投資事業の計画的執行や事務事業評価による見直し、さらには「平泉町定員適正化計画」に基づく定員の適正化など、持続可能な自治体経営を目指して参ります。


4 終わりに

   本町は、奥州藤原時代から、この地に住んできた人々が英知を出し合って、平泉の歴史や文化を護り伝えてきたすばらしいまちであると認識しております。
   本年は、世界遺産登録再チャレンジを目指す本町にとって、正に重要な年となります。先人が護り伝えてきた誇れる資源を最大限に活かしながら、持続的に発展できるようしっかりとした基盤の構築に努めて参ります。
   また、地方分権社会の本格的な構築が進んでいる今日、基礎自治体においては自己決定・自己責任のもとでの行財政運営が求められており、主体的に判断や決定をし、実行できる力を当然、身に付けていなければならないと考えております。さらに社会情勢が大きく変化する中、基礎自治体は的確な情報をいかに早く収集し判断していくのかが求められており、市町村間競争がますます進んでいく中においては非常に重要なことであり、危機感を強く感じているところであります。

   本年は、平成23年度からの新しい平泉町総合計画基本構想に掲げた将来像の実現に向けて、新たな一歩を着実に歩みだす年となります。
   このため、より一層効率的な行財政運営を目指し、町民の皆様が「住んでいて本当に良かった」と思えるようなまちづくりを積極的に進めて参りたいと考えております。

   今回、提案いたしました平成23年度平泉町一般会計・特別会計予算並びにその他の議案につきまして議員各位のご理解とご協力、そして町民の皆様方の町政への参画を心からお願い申し上げまして、私の施政方針の表明といたします。



   平成23年3月8日
      平泉町長 菅原 正義
平泉町役場
〒029-4192 岩手県西磐井郡平泉町平泉字志羅山45-2
TEL:0191-46-2111/FAX:0191-46-3080
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