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| 平泉では柳之御所跡や伽羅之御所跡を中心に、ウリ科の種をたくさん出土する穴を30ヵ所ぐらい見つけています。このうち便所で使っていた「ちゅう木」というへらを出土する穴が、10ヵ所含まれています。 ウリ科の種を出土する穴のほとんどは円筒形で、井戸より少し小さく、穴の深さは1mから3mあって、平均は1.5mぐらいです。ウリ科の種は底面にみられます。3mの深さをもつ穴は、穴の中ぐらいの深さに出土しています。 ウリ科はメロン、マクワウリ、シロウリ、キュウリなどからなるメロン仲間と、ヒョウタン、フクベ、ユウガオ、センナリヒョウタンなどからなるヒョウタン仲間の種が中心に出土します。種の特徴は皮がひじょうに固く、そのためこれらを食べても種は消化されずにウンコとして排泄されます。また、1個の果実にはたくさんの種が入っているのも、特徴のひとつです。 |
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ウリ科の種とまざって、蝿(はえ)のさなぎの抜けがらが見つかっています。そのほかコガネムシのような昆虫類も見られます。昆虫はたくさんの種類があって、人やけもののウンコに集まる虫、便所や肥えだめにいる虫、動物の死体につく虫、ごみ捨て場に発生あるいは集まる虫がいます。 ウンコの中には消化しきれなかった植物の繊維部分とか、動物の骨やそのほかのものも含まれ、この調査が進めば食事をした季節や、どのようなものを食べていたかがわかります。 「ちゅう木」は糞べらともいって、便所で使ったものです。1ヶ所の穴から多量にみつかり、細長く薄い杉の板です。細長く割った板をそのまま使っているものと、横をナイフでけずって使いやすくしているものと、食器をのせるおぼんを長く使っていて壊れたため、縦に割ってちゅう木として再利用しているものと、3種類のちゅう木があります。長さは15pぐらいと、25pぐらい、30p以上に分けられます。 |
| 便所の中に置くちゅう木は、これから使う新しいものと、使い終わったものを区別して箱に入れ、使い終わったちゅう木はまとめて燃やしてしまいます。これはウンコを肥料に使うためです。 平泉で見つかっているウリ科の種が出土している穴は、12世紀の汲み取り式の便槽(べんそう)と考えられます。ちゅう木は使わなくなった穴に捨てたと思われます。 |
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対話者 木村弘子 T12.6.19生れ 岩手県盛岡市在住
木村さんは、岩手県遠野市綾織村長岡の家でちゅう木を使っていた。40年程前までは一家全員使用していたようだが、その後はその家の祖父にあたる人のみが使用を続けていた。 素材(そざい)は杉の若い木の正目(まさめ)を使用している。直径20cmぐらいの杉の丸太を裏山から切り出し乾燥させる。丸太はできあがりの長さ(20〜30cm)の長さに切っておく。最初板状に切ってから、5mmくらいの厚さ1cmくらいの幅で切ってゆく。乾燥しすぎると薄く切れなくなるので注意する。次の日に使用する分は前の日のうちに切っておく。 できあがったものは、お手洗いの中の箱にきちんと積んでおく。使用後のものを入れる箱も別にあり、田んぼあるいは畑のまん中で焼いて肥料にする。 使用方法は、ちゅう木を前から入れて木のかどにあたる部分を使って横に動かしきれいにするというものである。一度ではなかなかきれいにすることができないので、何本も使用していたという。 その他、遠野あおざさの地区では川の中にはえている藻を乾燥させ使っていたという。また昨年建て替えた遠野市小友町にある常楽寺においても使われていたという。 S61.8.23 記録者 佐久山 史子 |
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