林地開発制度

林地開発許可制度とは?

土や石を掘り出したり、林地以外に転用するなど土地の形質をかえる行為によって、1ヘクタールを超えて開発する場合、許可申請の手続きが必要になります。
道路だけをつくる場合でも、幅3メートル、道路面積1ヘクタールを超える場合は許可申請手続きが必要となります。
森林所有者などが共同で開発を行うとき、それぞれの人が開発する森林面積が1ヘクタール以下でも、全体の開発面積が1ヘクタールを超える場合、また、何年にもわたって開発を行うとき、それぞれの年の開発面積が1ヘクタール以下でも最終的に全体の開発面積が1ヘクタールを超える場合も許可申請が必要です。

林地開発許可の基準はどのようなものか?

本制度では、開発行為によって森林の働きが損なわれる心配がないかどうかをチェックする4つの「許可基準」が設けられています。
災害を防ぐ働きへの影響
森林には、樹木や樹根、森林の土壌などの一体的な働きで、土砂崩れや土砂の流出、雪崩などの災害の発生を防いだり、被害を軽減する働きがあります。
森林を開発することによって周辺に土砂の流出や崩壊、その他の災害を発生させるおそれがないようにしなければならないため、災害を防止するための工法や施設の設置などの措置が必要です。
水害を防ぐ働きへの影響
雨を吸収し蓄える森林の機能は、雨水が川に一度に集中することを防ぐのにも役立ちます。こうした働きによって森林は、水が原因となって起こる災害(水害)の発生を防止しています。
森林を開発することによって流域内に水害を発生させるおそれがないようにしなければならないため、水の流れを調節するための施設の設置などの措置が必要です。
水源をかん養する働きへの影響
森林の土壌はスポンジのように雨を吸収し蓄え、時間をかけて清らかな水を徐々に川に流し出します。こうした働きによって、森林は渇水を防ぐ緑のダムとしての役割を果たしています。
森林を開発することによって地域の水の確保に支障をきたすおそれがないようにしなければならないため、水量を確保したり、水質の悪化を防ぐための施設の設置などの措置が必要です。
日常生活の環境を守る働きへの影響
森林には、騒音を防いだり強風による影響を軽減するなど、生活環境を守る働きがあります。また、森林レクリエーションの場を提供してくれたり美しい環境を保つなど、心に安らぎを与えてくれます。
森林を開発することによって周辺の環境や景観が悪化しないようにしなければならないため、開発目的ごとに残さなければいけない森林の割合や配置が決められています。

林地開発許可を受けるためには?

林地開発許可を受けるためには、上記4つの基準に従って申請書類を作成する必要があります。
申請から許可までの流れは次のとおりです。
  1. 開発計画の検討・立案
  2. 申請書類の作成・・・申請書、添付図書(位置図、区域図、開発計画書)等
  3. 申請書類の提出・・・都道府県庁又は出先事務所の林地開発許可業務担当課が「担当窓口」となります。
  4. 審査と調査・・・森林の公益機能の4つのチェックポイントが重点的に検討されます。
  5. 結果の通知・・・審査、調査の結果、問題がなければ許可され、開発行為を行うことができます。
  6. 着工
  7. 進行状況の調査・・・都道府県の担当職員が計画通り進められているか時々調査します。
  8. 開発工事完了
  9. 完了届けの提出
  10. 完了確認調査・・・都道府県担当職員が計画通りに完了したかを確認します。